校正者は何を見てるか

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かれこれ10年近くなりますが、仕事で校正をやっています。

普通に小説とか読んでるときに、見つけてしまいますね〜。。誤植やらなんやら。

一回スイッチ入って「あれ、この言葉さっき違う漢字使ってなかったけ……使い分けあるのかな?」とか考え始めると、もうストーリーに集中できない(笑)。他にもTVのテロップの送り仮名とか、チラシとか、つい見てしまう。探すっていうより、違和感あるところをよく見たらやっぱりあったっていう時が多い。目に飛び込んで来る感じです。

最近は新聞よりwebニュースを情報源としてよく読んでますが、速報性ゆえに誤植が多いなーと感じます。新聞社のweb刊とかでもたまに見かける。新聞とかの場合は、見つけたとき一応配信元に知らせるようにしています。誤りがあるといけないので……。書籍の場合は自分が旧版を買っている場合もあるし、すでに誰かが見つけて改定版で直してるかも(過去に自分が書籍をつくる側で、そういうことが多々ありました)、とか思うとあまり急いで知らせなきゃいけない気持ちにならない。

校正の仕事で見つけるべき間違いは、誤植だけではありません。

ちなみに校正と校閲の違いについては

校正:文字や体裁(レイアウトとか、見出しのサイズとか)の誤りを見つけて正すこと

校閲:内容を読んで、誤りを正す+不自然な点を補うこと

です。

校正をする際には内容も読んで不自然な点を指摘する場合がほとんどだし、校閲の役割の中には誤植を見つけることも含まれています。どちらの作業内容も重なる部分がある、ということです。

校正するときに、具体的にどういうところを見ているかというと……

本文が入る位置はずれていないか

本文中の文字列に変な設定は入っていないか(字と字の間が部分的に空きすぎ、詰めすぎなど)

誤字脱字、語用(誤用)チェック

主語述語がねじれてないか

漢字などに意図しない使い分け、つまり表記ゆれはないか

論理的な矛盾や誤りはないか

わかりにくい表現はないか(よりシンプルで適切な表現にできないか)

改ページや改段落のルールは守られているか

見出しの階層ごとに決まっている文字の大きさや太さ、フォントの種類は正しいか

見出し番号や図表番号、見出しとその内容は対応していて間違いはないか

図表内の表記ルールや体裁は統一されているか

表の数値の合計など、計算は合っているか

ページ番号は抜けや重複なく通っているか

目次と本文のページ番号、見出しなどは対応しているか

参考文献の表記は間違っていないか

索引のページ番号は合っているか

著者の名前と肩書きは間違っていないか

……などなど。

行間や字間とか、記号の全角半角とか、ダッシュの種類とか、読者はそんなの気にして読まないだろ、っていうところもチェックします(商品として正しくて当たり前の部分だから)。

自覚してませんでしたが、こうしてみるとけっこう色々見てるんですねー。他人事のようですが。これを1回(か2回)の通読でチェックします。もちろん、案件によっては誤字脱字とか明確な表現間違いみたいなのだけ指摘すればいいような、わりと基準が簡素な校正もあります。でも、読んでたら気づくし「これ直した方がいいよなぁ多分……」みたいな、もやっとするものは一応報告します。

校正の仕事は文字単価がとても低い(ものによるけど1文字0.1円とか普通にある)けれど、けっこう大事な仕事だと思っています。

未経験でも簡単にできるイメージを持つ人も多いかもしれないけれど、注意力や集中力が必要なのでそんなにおいしい仕事でもないと思います。

でも、向いてる人はやるといいと思います。仕事自体を楽しめて、それがスキルアップにつながるならやった方がいいと思います。そして、得意分野を見つけてその知識を蓄えると、校正の時に間違いを見つけやすくなるのでとても役立ちます!やっぱり、知らない分野の校正は「何が間違っているかわからない」状態になりやすく、読んでてすぐ誤りに気づけることが少なくなります。そうすると調べ物の回数が増えて時間がかかりすぎるし、自信を持って指摘できる点も減ります。

あと、名人が校正した後のゲラ見ると感動しますよ。他人の校正を見るのもとても勉強になると思います。

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