食中毒と殺菌(1)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

発酵食品を作るにあたって、気をつけないといけないのが食中毒。長期保存するときは特に、容器を殺菌・消毒するのが大事です。空気中にはカビや雑菌が漂っているので、きれいに洗ってしまってあったとしても、そのまま使ってはいけません。一見きれいに見えても、保存した食品にカビが生えて食べられなくなるとか、味や匂いに問題がなくても食中毒になる可能性はあります。使う前に煮沸消毒かアルコール消毒しましょう。

そもそも殺菌・消毒とは、「菌を死滅させて、増殖可能な一定数より減らすこと」です。ちょっと布で拭いただけではダメ。煮沸消毒なら、ビンを丸ごと熱湯に入れて30分は煮る必要があります(煮沸時間が短いと、十分に菌を死滅させられない場合があります)。アルコール消毒なら、消毒用エタノールなどアルコール濃度の高いもの(70°以上)で容器内をまんべんなく拭く。なお、焼酎は35°程度なので殺菌効果は薄いことに注意。

殺菌と似ている言葉として、除菌、抗菌、滅菌がありますが、それぞれ菌を寄せ付けない度合いが異なります。一番威力が高いのが、滅菌。科学的な処理で、その場から全ての菌を死滅させ「無菌状態」をつくりだします。その次に威力があるのが殺菌。その場の菌を死滅させます。薬用石けん・医薬品の消毒薬などに殺菌効果があります。

除菌は、殺菌より威力が劣ります。漂白剤とか洗剤には除菌効果があります。効き目は、その場から菌を取り除くこと。必ずしも菌を殺すとは限らないけど、物理的に洗い流すことで、菌を増殖できない数にまで減らします。

抗菌は、菌の増殖を抑える効果があります。でも、菌を死滅させたり数を減らしたりすることはできません。滅菌・殺菌・除菌と比べると効果は劣ります。

発酵食品は体の中に入るし、長期保存するのでできる限り雑菌が入り込まない状態にしないといけません。自分の家でもできる方法の中で最も威力のある「殺菌」が必要です。耐熱性のあるものなら煮沸消毒、それ以外はエタノールがおすすめ。

保存容器だけでなく、食材そのものに雑菌が付着していることも多々あります。野菜の場合はよく洗えば大体OK。肉や魚、卵を使う場合はできるだけ鮮度のいいものを使います。殺菌するには加熱が一番ですが、食材のタンパク質やその他の組織が変質してしまうので、ソーセージなど非加熱の発酵食品を作るときは素材を加熱して殺菌することはできません。せめて、食べる前によく加熱するといいかもしれません。ドライソーセージとかピータンは無理でしょうけれど。。

一定以上の時間、高温状態にあると大体の雑菌を殺すことができます。75℃で1分間加熱することで、食品や食器なんかに付いているサルモネラやO-157などの主要な菌は死滅します。ただし、黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌は毒素を放出し、その毒素が熱にとても強いので、加熱によって菌を殺せても毒素の影響で食中毒になることはあります。食品を常温放置したりすると菌が増えるので、清潔な環境で、素材が新鮮なうちに素早く調理や仕込みを済ませることが肝心です。

なお、菌によっても弱点は異なります。塩分が苦手な菌の場合、保存方法が塩漬けだったらまず安心。同じように、酸性が苦手な菌は、酢漬けの液の中では基本的に増殖できません。酸素がないと生きられない菌は、密閉しておくだけで淘汰されます。

(それでも温度や湿度、フタが緩いといった条件によっては、たまにカビたりします……また、ピクルスとかの野菜が漬け汁からはみ出ていると、そこからカビます(T-T))

まあ、カビなどの菌は増殖すると見た目や匂いでわかるので、間違って食べてしまって食中毒になるということはあまりないでしょう。食中毒でやっかいなのは、食品に潜んでいてもよく分からず、体内で強力に影響する菌です。予防のために、できるだけ安全な環境を整えて発酵にのぞまなくてはいけません(家族も食べるので)。

フォローする